小さなデザイン事務所のまじめなホームページ制作

白鯨を読む – まとめ

白鯨を読む

2025年11月1日

戦争と平和の余韻から抜け出して 今は『白鯨』に取りかかっています。 独特の文体になれるまでに すこし時間がかかりましたが ようやく脳が馴染んできました。


2025年11月13日

まだ上巻の前半、乗り込む捕鯨船をようやく決めたところで、まだ海には出ていません。しかしすでに面白い。ぼくは確信しました、名作とされている古典文学は、どれを読んでも面白い、間違いないです。まったく未知の捕鯨の世界。主人公が乗ると決めた捕鯨船「ピークォド号」の船長、エイハブ船長はまだ登場していません。先の航海で、鯨に片足を取られたそうです。どうやらかなりの変人らしい。


2025年12月16日

ようやく船は出航しました。捕鯨船は3年もの長いあいだ、航海を続けることがあるそうです。3年!そんなに長いあいだ世間と切り離され、しょうもないゴシップ記事を目にすることもなく、広大な海の上を漂いながら暮らしたら、人間がすっかり変わってしまいそうです。気になるのはトイレと風呂問題。昔の捕鯨船だと風呂なんて入れませんよね。3年間も?

やっと海に出たと思ったら、クジラに関するウンチクが永遠と続く章に突入して、ぼくの読書スピードは一気に失速しました。モームは「そんなところは読み飛ばせ」と言っていたけど、辛抱強く読みました。クジラにもいろんな種類がいるんですね。エイハブ船長の足を食いちぎったクジラは、どうやらマッコウクジラのようです。現存動物最大の脳を持ち、深海まで潜ってダイオウイカを捕食する唯一のクジラ。知れば知るほど、興味深い生き物です。


2026年1月21日

白鯨のことをぼくは「はくげい」と読んでいました。ところが、作中に「しろくじら」と呼んでいる場面が出てきました。どっちが正解なんだ?ChatGPTには聞かんよ。疑問のままにしておきます。

長かったクジラのうんちく話が終わり、乗組員たちの退屈な説明もようやく終わりました。海に出てから急に文章が難解になってきて、ぼくは何度も遭難しかけました。しかしついに、クジラと戦う場面がやってきた!クジラの群れを見つけるやいなや、3隻のボートで追跡します。手漕ぎです。あっさりとボートは転覆し、あやうく死にかけます。ワクワクするシーンのはずなのに、メルヴィルの文章が詩的で難解だから、面白さよりも、「難しい」が先に来ます。

クジラを追う物語ということで、「白鯨」のことをちょっと舐めていました。もしかしたら、あの「魔の山」よりも難解かもしれんぞ、これは。


2026年2月4日

上巻を読み終えました。やっとです。面白くないです。いつか面白くなるだろうと思っていたけど、面白くならないまま上巻が終わりました。読み進めるごとに難解さが増していき、終盤は何を読まされているのかわからないほどでした。おそらく『白鯨』は、この先もずっと面白くないだろう。きっとそうだろう。メルヴィルはたぶん、そういう風には書いていないのだ。それでもぼくは下巻を読む。それが読書だから(きりっ)


2026年2月9日

あいかわらず面白くない。しかし、マッコウクジラへの興味はどんどん深まっていきます。とにかく奇妙で、不思議で、神秘的な生き物であると、メルヴィルがいろんな言葉を駆使して、しつこく訴えてくるからです。


2026年2月19日

面白くないのに、毎日読んでしまう感覚、自分でもその感覚がよくわからず、無理をして読んでいるわけでもなく、面白くなることを期待しているわけでもなく、ただ、読んでいます。今日も読みました。「よくわからない」という感覚が、心地いいのかも。


2026年2月21日

ぼくがもしキムタクのような容姿をしていたら、きっと『白鯨』なんか読まなかっただろう。キムタクじゃないから、何かにすがるように『白鯨』を読むのだろう。


2026年3月9日

夜中に目を覚ましてしまって、眠れないので『白鯨』を読む。下巻の最終盤になって、あの延々と語られるストーリーとは関係ない鯨学がようやく姿を見せなくなり、ついに物語が動きはじめました。

しかし、白鯨はいまだ、姿を見せていません。最後の最後に出てくるんでしょうね。いや、もしかしたら、このまま最後まで白鯨が姿を見せないという可能性もあるぞ。タイトル「白鯨」なのに。メルヴィルならやりかねん。


2026年3月9日

マッコウクジラの真実に迫るドキュメンタリー映画『パトリックとクジラ 6000日の絆』のDVDが、3月18日に発売されます。当然、予約しました。白鯨をもうすぐ読み終えそうなタイミングでDVDが出るなんて、とても偶然とは思えない。

メルヴィルが本の中でしつこく描写する、マッコウクジラの「頭」のこと、「目」のこと、そして「知性」のこと、その答え合わせができるかもしれません。DVDが届く3月18日までに読み終えないといけない。残り157ページ、いけるか?


2026年3月15日

ついに、白鯨(モービィ・ディック)が姿を現した!

もうこのまま登場せずに終わるのかと思ったよ。残り50ページ、ついに、ようやく、現れました。まるで神のような威厳を示す巨大な白鯨「モービィ・ディック」。これまで嫌になるほどクジラの知識を叩きこまれてきたおかげで、モービィ・ディックの異様な姿、怖さ、神々しさを、しっかりと頭の中にイメージできます。

モービィ・ディックが出現した海は日本の近くで、メルヴィルは「閉ざされた国、日本」と書いています。『白鯨』が書かれた1851年、日本はまだ鎖国状態だったんですね。

そして格闘がはじまり、人間の無力さをあざ笑うモービィ・ディックの一撃で、捕鯨ボートはいとも簡単に真っ二つにされ、エイハブ船長は海に投げ出されてしまった。クライマックスだ!完全にクライマックスだ。長い長い退屈な940ページを辛抱強くめくり続けてきたご褒美が、いま目の前に差し出されています。


2026年3月17日

ついに『白鯨』を完読しました。あれだけ、面白くない、つらい、と愚痴をこぼしながら読んできたのに、いまは「すごい作品を読んでしまった!」という気持ちです。達成感よりも、喪失感のほうが大きいです。『白鯨』を読む日々が終わってしまって寂しい。まだまだずっと、読んでいたかった。

ほんとうに変わった小説で、1000ページの半分は、物語と関係のない、まるで論文のようなクジラのウンチクが占めています。多くの人が「なんじゃこれ?」と挫折するそうです。ぼくも読んでいて「なんじゃこれ?」と思いました。クジラの骨格の話とかどうでもいいから、はやく話を進めてくれ!とイライラしました。

でも、あれがあるからこその『白鯨』で、読後の感動は、あの苦しい時間(まるでエイハブ船長たちの長い航海と同じように苦しい時間)を体験したからこその感動なんですよね。あまりにも大きすぎて、まだ掴みきれていないと思うので、いずれ再読したいです。


白鯨を読む

PAGE
TOP