小さなデザイン事務所のまじめなホームページ制作

旅のおわり世界のはじまり

1本の映画をじっくり観る時間をつくるのは難しいけど、1日15分とか、30分とか、ちょこちょこ観ていくスタイルならいける、ということに気付きました。それで「旅のおわり世界のはじまり」を5日に分けて鑑賞、とても良い映画でした。冒頭のまっすぐ伸びた道をバイクで走っていくシーンで、あ、これは良い映画だと安心しました。カットはとても映画的で、印象的なシーンがたくさんありました。ぼくが一番ぐっときたのは、終盤の湖でのシーン、幻の怪魚が捕まらずに困った現地ガイドが、山に幻の哺乳類がいるからそっちに行こうと言い出して、それまでいろんなことがあって心の変化が起きた前田さんが「いきましょう」と返事をし、カメラマンの加瀬亮さんが「OK」と言うところ。湖と、夕焼けと、加瀬亮さんが絵になるんだ。加瀬亮さんの「OK」は、あれ以外考えられないぐらい完璧な「OK」だった。加瀬亮さん、めちゃくちゃイイですね。ラストシーンの前田さんも見事。

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9年越しのリベンジ

2016年、福津で暮らしていた時、ポケモンGOが流行って、ぼくも散歩がてらやっていました。家の近くに強そうなフォルムのポケモンが出現して、慌てて捕獲しに行くと、iPhoneが固まってしまい、そのせいで捕まえられなかったという思い出があります。もう廃れたと思っていたポケモンGOは今も生きていて、9年ぶりにインストールしてみました。前のデータはちゃんと残っていて、なつかしい気持ちになりました。なにより子供が喜んでいます。

ぼくが昔、強そうなポケモンを取り逃がした話をすると、それは絶対に捕まえたいね、と言いました。ある日、子供と散歩をしながら起動すると、あのポケモンがすこし離れた場所に出現しました。2人で全速力で走って行き、息切れしながら無事捕獲しました。ちなみにそのポケモンはブーバーです(たいして強くない)。9年越しのリベンジを、当時まだこの世にいなかった子供と、果たしました。

普段は起動しないけど、子供がやりたがるので、散歩の時や、夕食後に少しの時間させています。そこに明確なルールはなく、ぼくのその時の気分で、今日はやめておこうとか、やっていいよとか言っていて、ずいぶん勝手だなあと自分で思います。まるで神のごとく(しかも気分次第で)、子供の楽しみを制限することは正しいんだろうか?と、時々わからなくなります。

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手ぬぐい


はぴりのさんの10周年記念に、オリジナル手ぬぐいを(勝手に)つくりました。記念品は何がいいかなあと考えた時、以前キレイカ・コピーさんから頂いたオリジナル手ぬぐいを思い出して、そうだ手ぬぐいにしよう!と思ったのです。ちなみにキレイカ・コピーさんの手ぬぐい、我が家ではキッチンにぶら下げてお手拭きにしたり、食事中のナプキン代わりにしたりと、絶賛愛用中です。

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大人は判ってくれない

2回目のこども麻雀教室は、ちょうど子供の手配が見える場所で見学できました。配牌で么九牌が8枚ほど来た時、これはきっと国士を狙うだろうと思っていると(子供は国士無双が好きだから)、案の定5ピンを切り、子供はちらっとこっちを見ました。うんうん、と頷くぼく。次も迷うことなく真ん中の牌を捨てた時、先生が来て「字牌から切っていったほうがいいよ」とアドバイスを送ってしまった。先生!子供は国士をやろうとしてるんです、無謀かもしれないけど、チャレンジさせてください!とぼくは心の中で叫び、固まっている子供の後頭部に「自分の道をいくんだ」と念を送りました。子供は5秒ほど停止したあと、静かに字牌を切りました。あーーー。頷きながら去っていく先生。こっちを振り向かない子供。自分のやりたいことが分かってもらえず、それを変えられてしまった時、悲しいよね。その日、一度もアガれなかった子供は「焼き鳥になってしまった」と、麻雀用語を知っているアピールを繰り返していました。あそこは国士行きたかったやろ、次からやりたい手があったら先生に言おう、と話しながら帰りました。

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たたかうマヌカハニー

突然ふわッと古着の匂いがして
なんか古着の匂いがするねと言うと
え?そうかね?と答えた妻が
「たたかうマヌカハニー」
というのど飴を食べていて
その蜂蜜成分の香りが正体でした。
この勘違いは実は2回目で
どうしてマヌカハニーと古着が
ぼくの中で結びつくのか
それは今のところ不明です。

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最近買った本

■明るい部屋(ロラン・バルト)
■風景との対話(東山魁夷)
■アラスカ 光と風(星野道夫)
■死は存在しない(田坂広志)
■ブッダが説いたこと(ワールポラ・ラーフラ)
■オン・ザ・ロード(ケルアック 青山南訳)
■アメリカの鱒釣り(リチャード・ブローティガン)
■川釣り(井伏鱒二)
■ドローイング(鈴木ヒラク)
■拡張するイメージ(藤田瑞穂他)
■見るレッスン(蓮實重彥)
■想像のレッスン(鷲田清一)

これは自分のための記録です。
他にもあったような気がするけど。
写真集は含めていません。

いま「明るい部屋」を
魔の山と並行して読んでいます。
「同じ写真家の写真でも
すべてが好きなわけではない」という
ロラン・バルトさんの言葉を読んで
それが当たり前のことなのに
なんとなくすべてを好きになろうと
していた自分を発見しました。

それでいうと「本」もそうで
1冊丸ごと好きにならなくても
全然いいんですよね。
モームさんは「読書案内」の中で
飛ばし読みを推奨しているぐらいだし。

「見るレッスン」は新書ですが
蓮實先生は絶対に新書だけは書くまいと
長い間思っていたそうです。
その理由はわからないけど。
ちなみにぼくは新書によくある
あの太字表現が大嫌いです。

「死は存在しない」も新書で
まさに太字表現がてんこ盛りで
なんでこんなことするんかなあと
うんざりしながら読みました。
でも内容は結構面白くて
自分という存在なんて無く
総エネルギーの一部だというのは
たぶん本当のような気がします。

魔の山(下)は絶賛停滞中!

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リズミカルな音

子供がけん玉にハマって
日に日に上達している。
やり続けるとこんなに
上手くなるのかと驚く。
紅白に出てもいいレベルだ。
リビングのほうから
カンっカンっカンっと
リズミカルな音が
ずっと聞こえている。

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長島有里枝さんの「SWISS」


長島有里枝さんといえば、パンクでハードな人というイメージを勝手に持っていたけど、14年ぶりに復刊された「SWISS」を見て、そのイメージが180度変わりました。こんなにやさしくてまっすぐな文章を書き、そして綺麗な写真を撮る人だったのか。

一度書店でパラパラっと見た時は、ふーん、花の写真、しかも文章が付いている、写真集に言葉はいらないな、と思いました。でも「SWISS」は写真集に言葉があるのではなく、写真と文章が対等に存在していて、それぞれが素晴らしく、相互作用もしていて、フォトエッセイとは呼びたくない、それだと軽すぎる、でも純粋な写真集でもない、いままで見たことのない、新しい体験でした。長島さんが5歳の子供とスイスで過ごした3週間を体験できる本。だから書店でパラパラっとめくっただけでは、この本の素晴らしさは分からないのだ。

本の造りが素晴らしい。紙質もプリントも素晴らしい。マットな紙の上に、写真がしっとりと印刷されていて、インクの良い匂いがする。文章は半透明のうすい紙にタイプライターのような文字で印刷されていて、時折、原寸の航空券やメモ書きが挟まれる、贅沢な本。

本当に良い本を手にした時、ページをめくるのがもったいなくて、途中でぱたんと本を閉じ、良い本を手にした幸福感に浸る、それは本が好きな人のあるあるだと思うけど、久しぶりにそういう本に出会いました。

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東京都写真美術館の思い出


そういえば、東京都写真美術館でやっていたアレック・ソスさんの写真展に行ったことを、ブログに書いていませんでした。なんで書いていなかったというと、写真集を超える感動はなかったからです。あと、図録の印刷の質も悪かった。なのにSNSでは誰もそれに言及せず、図録は売り切れてさえいた。まあそれは展示とは関係ないし、3000円だから仕方ないのかもしれないけど。

それよりもぼくは、4Fの図書館で見た志賀理江子さんの「Lilly」と、佐内正史さんの「生きている」に感動しました。それはたぶん、写真集そのものの魅力に加えて、あそこで鑑賞したという体験込みの感動だったと思う。

写真美術館の図書館というニッチな空間で、職員の人が裏の書架から大事そうに運んでくれた絶版写真集を静かに鑑賞する。そんな緊張感の中で見た「Lilly」や「生きている」は、何か特別なものを見ているという感覚があって、今後もし自分で手に入れて部屋で鑑賞したとしても、あの感動はもう得られないだろうと思います。カンボジアの料理は、カンボジアで食べたから美味しかったんだな、みたいな。

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ハズレ映画


今年はじめの1本を見事にハズしました。信頼できる(と思っていた)ある映画好きの方のブログで、2024年のベストワンに「ロボット・ドリームズ」が選ばれていて、予告編を見るとまったくそそらない絵柄、正直ピンとこなかったけど、「コットはじまりの夏」を抑えて1位に選ぶぐらいだから、きっと良いんだろうと思いました。ところが全然良くなかった。駄作でした。予告編で感じたビミョウな印象そのまんまだった。

ありきたりなストーリーは別にいいんです。そこは重要じゃないから。ただ映画としての演出が幼稚すぎる。途中で寝そうになりました。ぼくが20代の独身なら、映画館なんていつでも行けるし、1本ハズすぐらいなんてことないんだけど、子育て世代が駄作を踏んだ時のダメージはデカい!信頼できる情報源をひとつ失ったので、代わりに蓮實重彥さんの「見るレッスン」を買って帰りました。氏が薦める作品をおとなしくアマプラで鑑賞しよう。

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