突然、妻に逃げられたり、暗い穴の中にもぐったり、感性の鋭い少女が出てきたり、村上作品でおなじみの要素たちがオールスターのように登場する『騎士団長殺し』。メンシキさんは、グレートギャツビーですよね。
画家の主人公が絵を描くプロセスを結構こまかく描写しているのが面白くて、きっと村上さん自身が小説を書く行為は、こういうことなんだろうなあと、置き換えながら読んでいました。
カフカ以降、主人公の「ぼく」が、あの「ぼく」じゃなくなっていましたが、騎士団長殺しでは、ひさしぶりにあの「ぼく」が戻ってきてうれしくなりました。
村上さんはいつまで長編小説を書くんだろう。まだまだ新しい作品を読みたいので、JDサリンジャーみたいに、突然隠居しないことを願います。

