20歳のときにマイルスのカインドオブブルーを聴き、よくわからんなあ、ジャズって退屈な音楽やな、と挫折しながらも、心のどこかで「理解はできないけど、きっと良いものだろう」「いつかは理解したい」と思っていて、やっと40歳になって理解できました。
自分の実体験としてひとつ確実に言えるのは、ジャズの入門として「カインドオブブルー」を聴くのは、絶対にダメだということです。世界で一番売れている大名盤なので、いきなりこれから聴いてしまう人が、ぼくも含めてたくさんいます。でも、いきなりこれを聴いても、100%ただのムード音楽にしか聴こえません。
では、はじめの一枚として何がいいのか、マイルスの「リラクシン」なんかとても良いんじゃないかと思うけど、それよりもアートブレイキーの「モーニン」が良いかもしれない。テーマ部分はすごく有名だから、たぶん一度は聴いたことがあると思います。
はじめはイントロのキャッチーさに惹かれ、何度も聴きこんでいくと、そのあとに続く、各人のソロ演奏に惹かれるようになります。そうなってきたらシメシメ、ジャズ道を一歩踏み出した証拠です(ようこそ!)。前後のテーマは実はオマケで、ジャズマンたちのアドリブ演奏こそが、ジャズの醍醐味なんですね。