小さいホウキとチリトリを机の近くにセットして、消しゴムのかすやホコリが目についたら、ささっと掃きます。その時いつも、高校の担任の先生を思い出します。それは国語の先生で、昔ながらの風習をこよなく愛するタイプの人でした。ある日、授業中に突然「ぼくは掃除機というものをいまひとつ信用していない。だから今もホウキで家の掃除をしている。ホウキで掃いたほうがキレイになったという実感がある」と言ったのです。それを聞いたぼくは「変わった人だな、掃除機のほうがキレイになるに決まっとるやん」と思いました。今も掃除機のほうがキレイになるという認識は変わっていないけど、先生に対する気持ちは変わりました。ホウキで掃除をするのはいかにも先生らしいし、効率や結果とは関係なく、先生はホウキで掃除をするという行為が好きだったんですよね。ぶおおおーーんずずずずっーーよりも、さっさっさのほうが美しいもんね。今朝も消しカスをミニほうきで集めながら、先生のことを思い出していました。

