オーネット・コールマンのゴールデンサークルは、ジャケットがかっこいいことで有名だし、レコード屋に行けば出会う確率も高いので(不人気だから?)、ジャズ初心者がうっかり手を出してしまって「なんじゃこりゃ」となる1枚です。
最近、B面がイイことに気づきました。もちろんA面もいい。ぼくが所有しているのは黒音符ラベルで、自分の耳には悪くない音に聴こえます。
まだコロナなんて無かった頃、東京のレコード屋の廃盤コーナーに「オリジナル」と書かれたこれが3000円でささっていて、む!と思ったけどスルーして後で激しく後悔しました。しかし不人気だとしても、ブルーノートのオリジナルが3000円なんてことがあるんかな。わかりません。
その時は単純に「さすが東京」と思いました。そしてなんとなく、それを手にとって買うと舐められる気がしたのです。だれに?わかりません。とにかく自意識過剰なぼくはそれをスルーすることで、わかっている風を装ってしまったのです。その後やっぱり欲しくなるも、福岡だと国内キング盤が同じ3000円。それを買ったら負けだと思い、結局1980円で見つけた黒音符ラベルで手を打ちました。
オーネット・コールマンは経済的理由から安物のプラスチック製サックスを使っていて、逆にそれが彼の個性になったという逸話がぼくは好きなのです。革新的なものはゴージャズな環境からは生まれんのよ。