読んでいる最中に「これは!」と興奮して
一度パタンと本を閉じてから余韻に浸る。
そんな「自分のための本」に出会う確率は
鳥のウンチが頭に落ちるぐらい低いです。
ちなみに妻は子供を幼稚園に送る道すがら
頭上に鳥ウンが落ちてきたそうです。
運よく日傘をさしていたからよかったけど
ズドンとかなりの衝撃だったようです。
『夜間飛行』(サン=テグジュペリ)は
ぼくにとっての鳥ウンでした。
ズドンとかなりの衝撃を受けました。
草原の上を飛行する場面や
暴風雨の中をくぐりぬける場面は
宮崎駿アニメの飛行シーンが
頭の中にぱっと浮かびましたが
駿さんもこの小説からかなり
影響を受けているそうです。
「文学」って何?と聞かれたら
『夜間飛行』を黙って差し出すのが
一番良い答えかもしれません。
詩的な文章はとにかく美しく
どのシーンもダラダラしていない。
淀川長治さんが北野映画を評して語った
「さっと出して、さっとやる感覚、贅沢さ」
そんな感じです。
すなわち人間の幸福は、自由の中に存在するのではなく、義務の甘受の中に存在するのだ。


