前回紹介した『問いつめられたおじさんの答え』で、「人はどうして死んじゃうの?」という質問に対して、いがらしみきおさんが「とうとう来たね、これ以上の質問はないからね」と、独自の死生観を語りはじめます。そこで、全身麻酔をしたときの体験を挙げて、あのときのブラックアウトした状態が、死んだ状態にいちばん近いんじゃないか、と言っていて、ぼくは「ハッ!」となりました。
というのも、ぼくも全身麻酔を一度経験していて、正確にいうと、その時はそれが全身麻酔だと分からなかったのですが、「胃カメラを無痛で飲めますよ」というお医者さんの説明を適当に聞き、何の疑いもなくベッドに横たわり、マウスピースのようなものを咥えていると、いつのまにか意識を失い、目を覚ますと身に覚えのない部屋で寝ていて、ひどく驚いたんですよね。
あれはヘンな感覚で、いがらしさんが言うとおり、死んだ状態に近いのかもしれない。あの病院、なんていう病院だったっけ?と思い出しながらホームぺージを見ると、ぼくが経験したのは全身麻酔ではなく、鎮静剤というもっとライトなやつでした。なーんだ。じゃあほんとうの全身麻酔は、あれよりもっと「無」になってしまうわけですね。怖いですね。

