佐内正史さんの写真集『生きている』が、30年ぶりに復刊されました。ぼくは青幻舎の復刊希望フォームから『生きている』をリクエストしていたので、復刊が決まったときは歓喜して、すぐに予約しました。そしてついに手元に届き、やっぱりいい!と思いながらページをめくりました。その反面、記憶のままでもよかったかもしれないな、と思いました。決して期待はずれだったとか、もう好きではなくなったとか、そういうことではなくて、東京都写真美術館の図書室ではじめて見たときの感動があまりにも大きかったから、そのときの記憶・・・奥の書棚から職員さんがうやうやしく持ってきてくれた『生きている』を開いて、日産スカイラインを撮った1枚(世の中で一番カッコいい写真)に興奮して、そのあと1ページ1ページ嚙みしめるように見た記憶を、上書きしないほうがよかったんじゃないかと思ったのです。

