そういえば、東京都写真美術館でやっていたアレック・ソスさんの写真展に行ったことを、ブログに書いていませんでした。なんで書いていなかったというと、写真集を超える感動はなかったからです。あと、図録の印刷の質も悪かった。なのにSNSでは誰もそれに言及せず、図録は売り切れてさえいた。まあそれは展示とは関係ないし、3000円だから仕方ないのかもしれないけど。
それよりもぼくは、4Fの図書館で見た志賀理江子さんの「Lilly」と、佐内正史さんの「生きている」に感動しました。それはたぶん、写真集そのものの魅力に加えて、あそこで鑑賞したという体験込みの感動だったと思う。
写真美術館の図書館というニッチな空間で、職員の人が裏の書架から大事そうに運んでくれた絶版写真集を静かに鑑賞する。そんな緊張感の中で見た「Lilly」や「生きている」は、何か特別なものを見ているという感覚があって、今後もし自分で手に入れて部屋で鑑賞したとしても、あの感動はもう得られないだろうと思います。カンボジアの料理は、カンボジアで食べたから美味しかったんだな、みたいな。