小さなデザイン事務所のまじめなホームページ制作

本のこと

待ち遠しいこと

7月が待ち遠しい。コットはじまりの夏のDVDが届くから。思い返すと、映像、音楽、脚本、静かさ、好きな要素ばかりだったけど、欧米の映画で「沈黙の価値」が語られることへの喜びもあった。自己主張してナンボという欧米の価値観が嫌いだから。

待ち遠しいといえば、子供は7歳の誕生日を心待ちにしている。ニンテンドースイッチを買ってもらえるから。しかしここに来て、スイッチの後継機発売がアナウンスされてしまった。このタイミングで現行機を買うのか、それとも新機種を待つのか、子供には難しい選択だ。

さぞかし悩んでいるだろうと思いきや、本人はそのことについてあまり考えてなくて、かいけつゾロリシリーズの本に夢中になっている。ぼくは本を読んでいる時の子供の顔を見るのが好きだ。

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最近買った本

■ツァラトゥストラかく語りき(F・ニーチェ)
■ロリータ(ナボコフ)
■チップス先生、さようなら(ヒルトン)
■マンスフィールド短編集(マンスフィールド)
■自然のレッスン(北山耕平)
■HAND BOOK(大原大次郎)
■ぼくは本屋のおやじさん(早川義夫)
■一生ものの、本と映画と音楽とアート(GINZA特別編集)

ある意味これは自分のための記録です。
毎月3冊本を買うという目標は
いまのところ継続できています。
ただ読む時間がなかなか無いから
未読の本がたまっていく・・・

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レアじゃなくても

マンスフィールド短編集

店先のワゴンに均一本を積んでいる、昔ながらの小さな古本屋。そういう店に入ると、たとえ欲しい本が無くても、何か1冊は買わないといけないような気持ちになるので、入りたいけどどうしようかなあと迷った挙句、入ってみることにした。入ってすぐのところに児童文学が並べてあって、そこで早速子供に買って帰りたい本を見つけた。1冊買う本を見つけたらもうこっちのもんや。途端に気持ちがラクになり、ぼくは買う客ですよ!という顔をして堂々と棚を眺めていると、マンスフィールド短編集という本が目に留まった。マンスフィールド?聞いたことないなあ。もしかしたら今では手に入らないレア本かもしれん。そんなよこしまな気持ちで手に取った。表紙は作家のポートレートでデザインされていて、その硬派な佇まいもぼくは気に入った。買って読んでみると、とても良かった。最初の「園遊会」という短篇でグッときた。あとで調べると、マンスフィールドという人は有名な作家で、マンスフィールド短編集はレア本でもなんでもなかった。でもぼくにとってはレアなことよりも、ずっと価値のある1冊になった。

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その時のために

「人間の土地」をやっと読み終えました。9月から読みはじめて半年もかかってしまった。一気に読むのがもったいなくて、ヤクルトの蓋に小さい穴を開けてチビチビ飲むスタイルで読み進めたから。

サン=テグジュペリといえば「星の王子さま」が圧倒的に有名だけど、ぼくにはあれの良さがよくわからない。王子さまのキャラクターが最後まで好きになれなかった。でも同じ作者が書いた「夜間飛行」を読んで大感動し、これはまさにマイルス・デイビスの代表作「カインド・オブ・ブルー」を最初に聴いてしまったがために、マイルスのことを、ジャズのことを、ずっと好きになれなかったのと同じだ!と思いました。

世間一般的に代表作とされているものが、必ずしも自分にとって良い作品であるとは限らない。それどころか、ハズレである可能性のほうが高い。これはぼくが48年間生きてきて掴んだ真実です。ライ麦畑より、フラニーとゾーイーやナインストーリーズのほうが良いんだから。

いつか子供にも読んで欲しい本というのが何冊かあって、「人間の土地」もその中に入ってくると思います。でも自分から「これ読んだ方がいいよ」と子供に勧めることはしないでおこうと決めています。いつか自分の意志で、自分のタイミングで、自然と手に取ってくれたらいいなと願いつつ、その時のために、そっとリビングの本棚に置いておこう。

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自然のレッスン

自然のレッスン

曽我部恵一さんが書いた「いい匂いのする方へ」というエッセイ本があります。曽我部さんは言うまでもなく、サニーデイ・サービスというバンドをやっているミュージシャンですが、正直に言うと音楽のほうは熱心に聴いたことがありません。Baby Blue という曲は好きで、よく聴いていました。「いい匂いのする方へ」は、曽我部さんが3人の子供のこと、愛犬のこと、映画のこと、音楽のこと、いろんなテーマについて誠実な姿勢で書いていて、とても面白いです。好きな本というテーマでは「自然のレッスン」という本が紹介されていて、いつか読みたいなと思っていました。先日丸善の中をあてもなくぶらぶら歩きながら、無数に本が挿してある巨大な棚を眺めていると、自然のレッスンの背表紙がパッと目に入ってきました。山奥で暮らさなくても、街中でなるべく自然に生きるためのコツが、数行のシンプルな言葉で、詩のように綴られていて、今のぼくの気分にピタッときました。表紙のデザインもいいですね。

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コット再び!

ネットを彷徨いながらコット情報を収集していると、なんと上映が終了したはずのKBCシネマで、3月11日から3月14日までの間、再上映されていることを発見してしまった。そんなことあるんだ!観たいなあ、もう一度スクリーンで。しかし、スケジュール的には今、かなり厳しい。うーむ。

昨日は、はぴりのさんの新しいモデルルーム撮影に立ち合い、帰りに丸善に立ち寄ると、いつのまにか4冊の本がぼくの手の中にありました。文庫3冊、デザイン本1冊。デザイン本は大原大次郎さんというデザイナーの方の作品集。今まで知らなかったけど、ぼくが好きな手仕事バリバリの制作スタイルで、大いに刺激を受けました。

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今月の3冊

■村上T 僕の愛したTシャツたち(村上春樹)
■アロハで田植え、はじめました(近藤康太郎)
■NATURE FIX(フローレンス・ウィリアムズ)

今月は文学作品なし。

「アロハで田植え、はじめました」は
資本主義レースから脱出すべく
朝の数時間だけ米づくりに取り組み
1年に自分が食べるぶんのお米を
つくろうとする素人稲作奮闘記。

自分たちが食べるものを
自分たちで生み出せたら
それが一番強いですよね。

「NATURE FIX」には
~自然が最高の脳をつくる~
というサブタイトルが付いている。
自然の中にいるとリフレッシュしたり
頭が冴えた気がするのは
気のせいなんかじゃなかった!

人間と自然の深いつながりを
いろいろな実験で証明するという
散歩&高宮八幡宮効果を実感している
自分にとってタイムリーな1冊。

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読書日記

「約束された場所で」
はとても面白かった。
そしていま「灯台へ」
を読んでいる。

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今月の3冊

■灯台へ(ヴァージニア・ウルフ)
■エクソフォニー 母語の外へ出る旅(多和田葉子)
■約束された場所で(村上春樹)

「灯台へ」というタイトルと、ヴァージニア・ウルフっていう作家名から、もう名作の匂いしかしない。きっと良いに違いない。

外国語で書かれた文学を別の言語で書くことは、もはや創作だろうと思います。菅啓次郎さんが「翻訳の詩学」という言葉を使っていて、もとの言語から離れて別の言語で表現されるとき、いったん死にかけた言葉が生まれ変わり、そこにあたらしい詩が宿る、みたいなことを言っていた。なるほど。そんな翻訳の詩学について書かれた本として、多和田葉子さんの本が紹介されていたので買ってみました。

村上春樹さんの「約束された場所で」は、オウム真理教の信者の方に、村上さんがインタビューをした本。地下鉄サリン事件の被害者側を取材した「アンダーグラウンド」のほうが有名だけど、そっちはまだ読んでいません。

村上ファンとして、オウム関連本を執筆していたあの時代を、ぼくは完全にスルーしてきました。ちょっと否定的な目で見ていました。そんなことやっていないで、普通に小説を書いて欲しいと思っていました。でも最近になって、なぜ村上さんがあんなに熱心に取材をして、本を書いたのか、それを知りたくなりました。

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なぜかというに

人間の土地の第5章、よかったなあ。特別なストーリなんて何も無いのに。古い家の様子、家人の様子、食卓の様子、それらがただ描かれているだけなのに。でもそこにはすばらしい文章がある。

作者のサン=テグジュペリさんはもちろん、翻訳者の堀口大學さんも素晴らしいな!ぼくは翻訳なんて出来ないけど、それがいかに難しいかぐらいわかります。特に文学作品の翻訳は。

映画パターソンのラストシーンで、永瀬正敏さん演じる詩人が「詩の翻訳はレインコートを着てシャワーを浴びるようなものだ」と言います。真実かもしれない。でも原文を読むことができないぼくは、堀口大學さんが訳してくれた文章を浴びるしかないわけで、原文を知らないぼくは、レインコート越しではなく、裸に直で浴びているつもりです。

そして「訳す」なんて軽く言いたくないなあ。文学作品の根幹である文体は、堀口大學さんのものなんだから。ぼくが好きな言い回しは「なぜかというに」です。『お世辞もきかなかったはずだ、なぜかというに、彼女たちは、虚栄を知らないのだったから』という具合に。

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