すでに読んだ2巻を何気なく手にとって、ぱらぱらっとぺージをめくったら、ロストフ一家が狩りをする場面に当たりました。本筋とはあまり関係のない話で、全体からすると重要度は低いんだけど、心に残る場面です。この時だけ登場するニコライの叔父が、いかにも自然の中で暮らす高潔な自由人で、話をしながら突然「天地神明!」と叫ぶ変人で、最高でした。
狩りのあと、叔父の家(猟犬が泥まみれのまま書斎に入るような粗野な家)で、採れたてのはちみつ、胡桃、りんご、きのこ、ジャム、ハム、鶏肉、をみんなで食べながら、ギターを弾いて、歌って過ごす平和な夜は、豪華絢爛で世辞にまみれた社交界との対比で、とても魅力的に映ります。やっぱり自然の暮らしっていいな。名脇役は他にもたくさんいるけど(例えばトゥーシン大尉やバグラチオン公爵など)、脇役大賞はニコライの叔父で決まりです。天地神明!

