小さなデザイン事務所のまじめなホームページ制作

本のこと

村上主義者

murakamisannotokoro

2年くらい前に「村上さんのところ」というウェブサイトが期間限定で開設されました。一般の人からの質問メールを受け付け、その質問に村上春樹さんが答えてくれるという夢のようなウェブサイトでした。

膨大な数の質問メールが届き、村上さんはそのひとつひとつに目を通し(やはりまじめで誠実な人なのです)3ヶ月間ほかの仕事がまったくできない状態になったそうです。

そのウェブサイトはもう閉鎖されましたが、選りすぐりの回答をまとめた本が出ています。そしてぼくはそれを買って今読んでいます。おもしろいです。村上さんのやさしく、時に厳しく、知性とユーモア溢れる回答文を読みながら、ひとりニヤニヤ笑ったり感動したりしています。

そんなハルキストなぼくですが、この「ハルキスト」という言葉が嫌いです。どこかバカにしていますよね。そのハルキストという呼び名について村上さんはどう思いますか?という質問が掲載されていました。

村上さんは「そんなちゃらい呼び方はやめて村上主義者にしましょう。うでに羊のタトゥーを入れて、地下でこそこそ村上作品を読みましょう 」と提案していました。いいですね、村上主義者。なぜ羊なのかがわかる人は、村上主義者ですね。地下であいましょう。

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チククの針は鋭いぞ

ちょっと前にカメラマン黒川さんから「これ読んで」と漫画本を渡されました。ずしりと重たい大型コミックス。正体は松本大洋さんの「sunny」と、宮崎駿さんの「風の谷のナウシカ」でした。

松本大洋さんの漫画をちゃんと読んだのははじめてでしたが、絵を描く人たちがこぞってファンになる理由がわかります。ミリペンで描く線は独特かつ緻密で、ひとコマひとコマが作品のようです。これは描くのに時間かかってそうだなあ。

つくる仕事をしていると、ついついその「とてつもない労力」のことを考えてしまう。sunnyは内容もすごく良かったです。せつない。

そのあと松本大洋さんについていろいろと調べていると、ベン・シャーンのことが好きだとインタビューで語っていて、ああやっぱりなあと思いました。ちなみに、ぼくもベン・シャーン好きです。

漫画版ナウシカもはじめて読んで、内容の濃さにビビりました。映画は原作のほんの一部と聞いてたけど、これほど原作が濃いとは・・・。ハヤオさんの頭の中はいったいどうなってるんでしょうね。

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wacomのバネつき替芯

pen

使っているペンタブレットはwacomのIntuos Proです。最近、バネのついている替芯をよく使います。描きづらいんだけど、そのせいで線に揺らぎが生まれて良い感じです。

この前本屋にいったら、平積みされてる騎士団長殺しの横にひっそりとたたずむ短編集「女のいない男たち」を見つけました。

いつのまにかこんなの出てたのかあーと思いながら買って読むと、北海道のとある町から、内容にクレームが出たというニュースを思い出しました。あのニュース、このことだったのか。本の内容は正直、いまいちかな。騎士団長殺しに期待しよう。

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ムラカミハヤオ

村上春樹さんの新作、本日発売されましたね。ぼくは文庫派なのでまだ買ってません。ただ、Yahooニュースのコメント欄がまたもや荒れていて、心を痛めています。最近「ねじまき鳥」を久しぶりに再読していて、今日から3部(表紙ボロボロ)に突入しました。そして宮崎駿監督が、新作長編アニメの制作準備に入ったというニュースが届きました。本当ならばうれしい。やっぱり監督は苦しい苦しいと言いながら、つくることが好きで好きでたまらないんでしょうね。

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初めに描くものが一番いい

妻から安西水丸さんの本「おもしろ美術一年生」をプレゼントしてもらいました。イラストだけじゃなく、水丸さんの文章やエピソードもたくさん掲載してあり面白い。「描き直しはしない、初めに描くものが一番いい」という言葉が好きです。実際にはそう上手くいかないけど。

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多崎つくるを読み終えた

村上春樹の「多崎つくる」を読み終えました。買ったのって2月だから、だいぶ経ってますね。

冒頭が暗くてなんか重いなあと思って、読まずにしばらく放置してたんですけど、読むとやっぱり村上春樹な面白さでした。グループを追放された理由を知るため、数十年ぶりにアオやアカに会いにいく場面は緊張するし、ワクワクしました。

やり手の営業マンになっていたアオが、レクサスを語るシーンを読むと「ほー、レクサスってすごい車なんやなあ」と一気にレクサスを信用させてしまうのが、村上春樹のすごさです。

やっぱり実際にレクサスに乗ってみたり、取材をしたりするんだろうか。するでしょうね。アカが語る自己啓発セミナーの話も、いろいろと考えさせられる話です。

しかしなんで村上春樹ってあんなに売れるんだろう。だいたいはっきりとしたストーリーが無かったり、ちゃんとした答えが無かったり、暗かったり、バカ売れする要素なんてない気がするけど。

たくさん売れるということは、好きじゃない人の手にも渡るということだから、アンチがたくさん生まれるのも仕方ないですね。

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改めて実感する

いろいろな人に支えられていると、改めて実感したここ数ヶ月。当日もたのしみだけど、ここまでの準備期間もまた、かけがえのない経験となりました。

そんな中、うしおととら、ついに読み終えてしまった。1巻から33巻まで、一本筋の通った大作。最後は、泣くよね、これは。名言1位は「泥なんて何だい」。

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キュウリのサンドイッチ

ぼくがキュウリのサンドイッチを好きになったのは、村上春樹さんの影響です。

「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」(初期の傑作)で、天才博士が塩をふってポリポリとキュウリのサンドイッチを食べるシーン。それを読んで、ぼくも真似をしました。そんな感じでちょこちょこと村上作品から影響を受けています。地底に対する恐怖も、この作品のせいです。

先日買った「多崎つくる」は、まだ5ページぐらいしか読んでいません。なんか出だしから暗いんだよ。

新しい作品を次から次に読むのもいいけど、大好きな作品を何度も何度も繰り返し読むことが、ぼくは好きなんですね。読むたびに発見があります。またハードボイルド~を引っ張り出して読むのもいいかもなあと、今朝、キュウリのサンドイッチを食べながら思ったのでした。

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なぜ初期のほうがいいのか?

ふらっと立ち寄った本屋に、村上春樹さんの「多崎つくる」が並んでいたので買いました。たとえタイトルがイタい感じだろうが、そこは見てみぬふりをして買うのです。

多くの村上ファンと同じように、ぼくも初期の作品が好きで、ねじまき鳥以降はしっくりこないままですが、1Q84は面白かったから今回もちょっと期待しています。ネット上の評価は見ません。見ないし、気にもしません。好きな作家の作品ぐらい、自分自身で評価したい。

しかし音楽も映画も文学も、長年のファンは大抵「初期のほうが好き」となるのは何故なんだろう?北野武監督の作品も、圧倒的に初期が好きです。積み重ねていく経験や技術の代償として、何か勢いのようなものを失くしていくんでしょうか。自分はそうはなりたくないけど。

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ストイックスイッチ

3月のライオンの最新刊を読みました。感想は人それぞれだろうけど、なんか「あの一家」の話が多すぎて、少女マンガみたいになっていますね。島田さんや二階堂がそれこそ命がけで将棋の勝負に挑むあの熱い感じが、このマンガのすばらしさだったのに。

ぼくはストイックでありたいと願う怠け者だから、定期的に自分の中のストイックスイッチをパチンと入れてあげる必要があります。だから3月のライオン4巻の、島田さんのストイックさに、日ごろからお世話になっているのです。だからこそ最新刊の将棋の扱いはちょっと・・・。

明日はラグビーですね。彼らからストイックスイッチを頂きます。

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本の装丁は大事である

太宰治の「人間失格」を読もうと、近くの本屋に行ってみたら、あるにはあったけど装丁がひどい。なんかアニメみたいな表紙で、購買意欲ガタ落ちでした。どうやら新潮文庫のほうはちゃんとした装丁みたいだけど、そっちは在庫がなかったので断念。帰宅後、amazonで購入しました。かわりに、新潮文庫から出ている「斜陽」を買ってきました。本の装丁って大事なんだよ。

太宰は文章がきれいだなあ。読んでいてほれぼれします。同じく、又吉さんがおすすめしていた、谷崎潤一郎の「春琴抄」も買ってみました。谷崎はヘンタイだとよく言われるけど、どう変態なのか楽しみです。

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空っぽになった後に

ピース又吉さんの書いた小説がすごく評判いいので気になってます。

今後も続けて書いていきたいと語る彼の言葉ですごく印象的だったのが、「5作目くらいまでは今自分の持ってる情報で書ける。それ以降は書くことがなくなってしまって、それからの自分が楽しみだ」という言葉です。

んー、かっこいいのう。空っぽになることを怖がるのではなく、空っぽになった自分から何が出るのか、そこに期待して楽しめるってすごい。

いまの自分の資産を小出しにして、チマチマやっていっちゃいかんですね。空になるぐらい力を出してしまった後に、次のニュー原田があるのかもしれん。

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翔ぶが如くはまだ2巻

翔ぶが如くの読書スピードが遅くて、まだ2巻の中盤をうろついています。「竜馬がゆく」や「坂の上の雲」よりも、非常に緻密で情報量がすごいから、1ページめくるために結構なパワーがいります。なので焦らず、じっくり向き合っています。

それにしても、薩摩の男はいい。西郷さんの人間的魅力がすごいのだ。彼らは自分の人生を「どう終わらせるか」を常に考えていて、それが生き様になっている。そんな大きな視点で人生をとらえたら、目の前のイヤな出来事なんて、取るに足らない、ちゃいちー問題たい。

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