小さなデザイン事務所のまじめなホームページ制作

つくるとは絶え間ない選択だ

写真は必ずしも自分でシャッターを押さなくてもいいと、ホンマタカシさんは言っています。撮ることだけが写真ではない、と。自分で撮らない写真がどういう写真なのかは、ここでは説明しません。詳しくは、ホンマタカシさんの著書『たのしい写真』や『たのしい写真3~ワークショップ編』に載っています。(どちらも面白い本です)

その説明の中に、「撮るときもそうだけど、作品をつくる時も絶えず選択だから」というホンマさんの言葉が出てきて、ぼくは、そうそう、本当に、つくるって絶えず選択なんだよ、と激しく同意しました。それと同時に、最近SNSをザワつかせた江口寿史さんの件が、ふと頭をよぎりました。

あの問題の本質は、ちゃんと許可を取らなかったという部分にあるんでしょうけど、みんながえー?ってなったのは、あれもこれもトレースだったという部分ですよね。そんなのずるいぞ!と。上からなぞっただけじゃないか!と。これは本当に難しい問題です。それも立派な手法だという意見もあるし、そんなの認めないという意見もある。ただ、作品にするまでに「絶え間ない選択」がそこにあったことだけは確かです。

ちなみに、ヘタウマタッチの絵はトレースでは描けないから、実はリアルタッチよりも大変なんですよ!(と言っておこう)

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幻のアフリカ



キャナルでの取材を終えて、MUJIBOOKSでぼやーっと棚を見ていたら、『幻のアフリカ』の異常に分厚い背表紙を見つけて興奮しました。すでに絶版になっているこの本は、1931年にアフリカ大陸を調査したミシェル・レリスが約2年間、毎日つけていた日記をそのまま本にした内容で、発売当時は発禁になったそうです。理由はよくわからないけど、その事実だけで読みたくなります。旅行記を好む菅啓次郎さんが衝撃を受けた本として、『悲しき熱帯』と『幻のアフリカ』の2冊を挙げていました。文庫本なのに気軽に持ち歩けない分厚さ。これ1冊でカラマーゾフ上中下と同じ厚みです。本棚に挿すと異様な存在感を放ちます。

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うれしいときー

うれしいときー
自分がネットで買った瞬間
SOLD OUTになったときー

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戦争と平和を読む⑪

『戦争と平和』を読み終えました。ぼくの中の文学ベスト5に、間違いなく入ります。めちゃくちゃ面白かった。堅いタイトルで損してるよなーと思っていたけど、読み終えたいま、この大長編にふさわしいタイトルは「戦争と平和」以外考えられない、という気持ちです。登場人物はなんと総勢559人!ワンピースも真っ青です。しかも、大抵の作品は一人ひとりの性格が決まっていて、ジャイアンはジャイアン的な言動や行動しかしないけど、トルストイが生み出すキャラクターは複雑な人間そのもので、その時の状況によって、グラグラと揺れ動きます。それが非常にリアルです。100%の善人なんていないもんね。しかし、どうしてロシアにはトルストイやドストエフスキーのような偉大な作家が何人も出現したんだろう?と考えたのですが、それはたぶん寒いからだ、と結論付けました。

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ペイヴメント


PAVEMENTは
いつだって
最高です。

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雨の展望台

雨の中を歩いて
高宮浄水場そばの展望台へ。
結構な高さがあるので
下をのぞき込むと足がすくみます。
濡れると困る時の雨はイヤだけど
濡れてもいい時の雨は良いですね。
散歩用のカッパを買おうかな。

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戦争と平和を読む⑩

フランス軍の捕虜になってしまったピエールが苦しい捕虜生活から解放された時、ぼくは30年前の自分の体験を思い出しました。それは何かというと、アルバイト情報誌anに載っていた楽しいイラストに釣られて応募したテキヤのアルバイト経験で、大きなトラックの荷台に乗せられて、九州各地のお祭りに連れていかれ、風呂にも入れず、朝から晩までビニール人形を売り続けるという過酷な5日間から解放されたとき、ぼくはピエールと同じように自由の喜びを全身で感じました。お金のためにキツイ思いをしたはずなのに、もはやお金なんてどうでもよくなっていました。そしてピエールがナターシャと再会して、これから2人の結婚に向けた話が描かれていくのか、と思いながらぺージをめくると、唐突に「エピローグ」という文字が現れて震えました。ここで終わらせるとは!この後にエピローグが150ページもあるから、本当の終わりはまだ先だけど、物語としての終わりは、あのナターシャの台詞ということでいいんですよね?余韻がすごすぎる・・・。

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書く=考える



イヤホンを付けて、インタビューの文字起こし(ツライ作業です)をしていると、イエグモがPCモニターの上を散歩していました。ぼくがイエグモのことを好きで、絶対に危害を加えないと知っているようです。文字起こしをしたら、ポイントを紙に書き出して、それをもとに全体の記事構成を考えます。考えながらの作業は、手で書くほうがはかどります。考えることと、書くことは、イコールだからです。構成ができたら、PCを使って記事を書きます。推敲に最も時間をかけます。

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万博さようなら

万博の閉会式を見て、じーんときました。行かなかったら、こんな気持ちにもならなかった。行ってよかったな。来場者2800万人のうちの1人になれたのが誇らしい。はじまる前のバッシングは何だったんだ。大屋根リングは本当に大きくてすごかった。閉会式で感動した気持ちを胸に、もう1度行きたい。もう終わったけど。

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太宰府日記



連休初日に太宰府へ行きました。参道はインバウンドの人たちで溢れ返っていて、情緒もへったくれもない状態だけど、本殿からさらに奥のほうへ進むと、途端に人が少なくなり、空気感も変わります。ここでやっと大宰府を感じます。一番奥に佇む「お石茶屋」で梅ヶ枝餅を食べて、お石トンネルを抜け、そこから竈門神社を目指して2kmの坂道を歩きました。10月なのに気温は30度。汗だく足プルになったけど、歩くのはやっぱり気持ちがいい。竈門神社は鬼滅の刃にあやかって潤っている様子でした。

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戦争と平和を読む⑨

すでに読んだ2巻を何気なく手にとって、ぱらぱらっとぺージをめくったら、ロストフ一家が狩りをする場面に当たりました。本筋とはあまり関係のない話で、全体からすると重要度は低いんだけど、心に残る場面です。この時だけ登場するニコライの叔父が、いかにも自然の中で暮らす高潔な自由人で、話をしながら突然「天地神明!」と叫ぶ変人で、最高でした。

狩りのあと、叔父の家(猟犬が泥まみれのまま書斎に入るような粗野な家)で、採れたてのはちみつ、胡桃、りんご、きのこ、ジャム、ハム、鶏肉、をみんなで食べながら、ギターを弾いて、歌って過ごす平和な夜は、豪華絢爛で世辞にまみれた社交界との対比で、とても魅力的に映ります。やっぱり自然の暮らしっていいな。名脇役は他にもたくさんいるけど(例えばトゥーシン大尉やバグラチオン公爵など)、脇役大賞はニコライの叔父で決まりです。天地神明!

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手紙

国語の宿題で毎日、教科書の音読がある。子供はいつも真剣に取り組んでいるので、こちらも真剣に聞くべきだけど、疲れている時はうわの空だったりする。昨日の宿題は、アーノルド・ローベルの『手紙』だった。ぼくははじめて聞く話だったから、子供が読みあげる物語に引き込まれた。そして、カエルくんがガマくんに書いた手紙の内容を読みあげる場面で、涙腺がゆるみそうになった。子供は、ぼくが密かに感動していることも知らずに、手紙を託されたカタツムリの足の遅いことを、楽しそうに話した。

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万博のこと

万博に行った人が周りに増えてうれしい。万博の感想を聞くのがたのしい。9月以降に行った人の話を聞くと、ぼくが行った7月とはずいぶん状況が変わっているみたい。感想も人それぞれだけど、みんな口をそろえて「行ってよかった」と言う。ぼくも本当にそう思う。

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戦争と平和を読む⑧

大江健三郎さんの『新しい文学のために』を読んでいると、ふいに大江さんがトルストイの「戦争と平和」について語り始めた。そこには、ピエールとナターシャが結婚するという、ぼくがまだ知らない大事件がさらっと書いてあって、慌ててぺージを閉じた。間に合わなかった。盛大なネタバレをくらってしまった。思わず(健三郎ー!)と心の中で叫んだけど、それは大江先生のせいではなかった。アンドレイ公爵が死んだ時、うすうす気づいてはいたけどね。ぼくのこのブログも、戦争と平和をまだ読んでいない人にとっては、ネタバレを含みますのでご容赦ください。

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戦争と平和を読む⑦

主要人物であるアンドレイ公爵の死に方は印象的で、まるでトルストイ自身が一度死を経験したことがあるような描き方だった。おそるべし、トルストイ。死は生からの目覚めである、という言葉が強烈に心にくいこんできました。終わりではなく、ただの意識の移行だとしたら、死はそんなに怖いものではないですね。「魔の山」の雪の章(多くの人が作品のハイライトに挙げる有名な章)を読んだときにも感じたけど、どうしてトーマス・マンやトルストイが「そのこと」を知っていて、書くことができたのか、不思議で仕方ありません。ChatGPTにそのギモンをぶつけると、それが文学の神秘なのです、とカッコいい答えが返ってきました。

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あずきバーが硬いのは無添加だから

って知ってましたか?
ぼくは知りませんでした。
だいたいのことを知りません。
自然派の強い味方。
井村屋のあずきバー。
うまい!

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大の里

実家へ行くと、父がテレビで大相撲を見ていた。ぼくもとなりに座って一緒に見た。画面には横綱の大の里が映っていた。大の里?横綱?ぼくの知らないあいだに、日本人横綱が誕生していた。しかも若くて、かっこいい。体躯も立派だ。急いでグーグルで調べると(すぐに検索する現代人)、すでに4回も優勝していて、史上最速で横綱になっていた。なんでこんなにすごいニュースをぼくは知らなかったんだ?きっといま、相撲界は盛り上がっているでしょうね。妻にそのことを話すと、妻も知らなかった。そして、相撲を観に行きたいという話になった(いつも遅れて波にのる原田家)。しかし、11月の九州場所のチケットは、もう売り切れていた。やっぱり盛り上がっているのだ。そして大の里が、5度目の優勝を果たした。

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ぼくの理念



『教養としての建築入門(坂牛卓著)』
建築のことを語っていながら、建築以外のことにも通じる部分がたくさんあって面白かった。心に残った点をざっと。

・建物の基礎ができた時、頭で想像していた大きさと違うことがあってビックリする。
・壁をほんの10cmずらす、20cmずらす、気の長い試行錯誤(ホームぺージ制作と同じだ)
・建築は時間的な経験でもある
・美しいもののみ機能的である(丹下健三)
・ものの大きさは人を感動させる(ピラミッド)
・建築家はみな理念(蓄積された方針)を持っていて、設計する時にその理念を呼び出す。そして完成するまでの期間、理念が心の支えとなる。

ぼくにとっての蓄積された方針、すなわち理念は何だろう?と考えると、それは「等身大のホームぺージをつくる」ということだと思う。その会社(その人)以上でもなく、以下でもない、ありのままの姿を反映させたホームぺージをつくること。

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「生きている」の復刊が決定!

やったー!やりました!青幻舎の幻本復刊プロジェクト最後の1冊が、佐内正史さんの「生きている」に決定しました!うれしいー。ぼくもリクエストフォームから投票したのです。東京都写真美術館の図書室ではじめて見て衝撃を受けて以来、何度プレミア価格の古書をポチろうとしたことか。踏みとどまってよかった。「生きている」が新品で手に入るなんて夢のようです。絶対に買います。

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自然のレッスン

自然のレッスン

自然に触れる時間が不足してくると、あきらかに心と体の調子が下がっていくのがわかるので、油山に行って補給してきました。自然を見ていると、自然には醜いものなんてひとつもなくて、人間だけが醜いものを作り出しているんだなあと感じます。人がつくった美しいものを見て目を鍛えることも大切だけど、自然から学ぶことのほうがもっと大切な気がします。自然に囲まれて暮らすのが一番いいし、みんなそんなことは分かっているけど、仕方ないよね、今はこんな時代だから、と、諦めて暮らしているぼくたちですが、本当にずっとこのままでいいんかな?都市で暮らしていても、自然を意識して、自然に生きることはできますよ、と、この本は教えてくれます。

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