写真は必ずしも自分でシャッターを押さなくてもいいと、ホンマタカシさんは言っています。撮ることだけが写真ではない、と。自分で撮らない写真がどういう写真なのかは、ここでは説明しません。詳しくは、ホンマタカシさんの著書『たのしい写真』や『たのしい写真3~ワークショップ編』に載っています。(どちらも面白い本です)
その説明の中に、「撮るときもそうだけど、作品をつくる時も絶えず選択だから」というホンマさんの言葉が出てきて、ぼくは、そうそう、本当に、つくるって絶えず選択なんだよ、と激しく同意しました。それと同時に、最近SNSをザワつかせた江口寿史さんの件が、ふと頭をよぎりました。
あの問題の本質は、ちゃんと許可を取らなかったという部分にあるんでしょうけど、みんながえー?ってなったのは、あれもこれもトレースだったという部分ですよね。そんなのずるいぞ!と。上からなぞっただけじゃないか!と。これは本当に難しい問題です。それも立派な手法だという意見もあるし、そんなの認めないという意見もある。ただ、作品にするまでに「絶え間ない選択」がそこにあったことだけは確かです。
ちなみに、ヘタウマタッチの絵はトレースでは描けないから、実はリアルタッチよりも大変なんですよ!(と言っておこう)






