小さなデザイン事務所のまじめなホームページ制作

無限のエコー

中学生の時、『中原中也詩集』をお小遣いで買いました。詩に興味なんてないのに、どうして買ったのかというと、お小遣いをアップしてもらうためです。こんなに有意義な使い方をしているんだぞ、というアピールです。

買ってきた詩集を見せると、母親は国語の教科書にも出てくる「ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん」のところを声に出して読み、「なつかしい」と言いました。お小遣いアップに成功したかどうかは、覚えていません。

他のマンガや本は、売ったり捨てたりしてほとんど残っていないのに、『中原中也詩集』だけは、なぜか手放すことなく残り続けました。そしていま、50歳になったぼくが読んでいます(50歳になってもよくわからない)。

きっかけは、詩人の吉増剛造さんの『詩学講義 無限のエコー』(吉増さんが慶応義塾大学でおこなった講義をまとめた本)で、中原中也さんの詩を深く掘り下げていたから。

詩学講義 無限のエコー(吉増剛造)

ブックデザインは服部一成さん!

ぼくは、思考の揺れ(思考があっちに行ったりこっちに行ったりする動き)を制御せずに、どんどん言葉を重ねていく吉増さんの語り口が好きです。『詩とは何か』は名著だと思います。

授業でも、吉増さん独自の語り口はいかんなく発揮されていて、話題はあっちに行ったり、こっちに行ったり、ちょっと語り口を強調しすぎな面もあるにはあるけど、こんなに面白い授業が受けられるのなら、大学に行ってみたかったな(行ける学力があったかどうかは別として)、と思います。

カテゴリー: 本のこと コメントをどうぞ

つくるくん 35

つくるくんを更新しました。

カテゴリー: 日常のこと コメントをどうぞ

原木シイタケ



先日、子供のサッカーの試合がありました。

普段は一緒に練習することのない「育成チーム」との合同試合で、はじめて見る育成の子たちのレベルに驚きました。めちゃくちゃ上手いやん。技術もさることながら、戦う気持ちがすごい。体をぶつけてボールを奪い、相手のシュートにもひるまず体を張ります。

そんな中、闘争心ゼロのうちの子供も懸命に走り、コロコロシュートを決めました。

試合のあと、柳橋連合市場へ行き、箱売りされていた原木シイタケを買って帰りました。家族みんなシイタケが好きで、特に原木には目がなく、食卓にシイタケが出ると「これゲンボク?」と聞くのが定番になっています。

カテゴリー: 日常のこと コメントをどうぞ

銛打ちのインディアン「タシュテゴ」

銛打ちのインディアン「タシュテゴ」

もし、『白鯨』という、あの巨大な奇書を読んでみようかな、と思っている人がいたら、本の前に映画(1956年公開版)を観るのもアリかもしれません。アマプラで観ることができます。

ぼくは当時の捕鯨文化について、まったく無知なまま読んだので、なかなか捕鯨のシーンを頭に思い浮かべることができず、苦労しました。読み終えたあとに映画を観て、そうか、捕鯨船ってこういう船だったのか、クジラを追いかけるボートって、こんなに小さかったのか!と、驚きました。

なので、先に映画を(捕鯨シーンだけでも)観ておくと、読みにくさでは他の追随を許さない『白鯨』が、少しは読みやすくなるのではないかと思います。少しはね。

『白鯨』には、3人の銛打ちが出てきます。全身刺青男のクィークェグ。巨体の黒人ダグー。インディアンのタシュテゴ。彼らは誇り高い勇敢な銛打ちで、巨大なクジラにギリギリまで近づき、その体に銛を打ち込むのが仕事です。

カテゴリー: 映画や音楽のこと, 本のこと コメントをどうぞ

テープ起こし革命

ぼくの全仕事の中で、もっともツライ仕事と言ってもいい、テープ起こし。取材した音声データを聞きながら、文字に書き起こす作業のことです。

恐ろしく要領が悪いせいか、2時間の取材テープを書き起こすのに、6時間ぐらいかかります。いや、もっとかかるかもしれん。途中で気を失うから。

しかし、そのテープ起こしに革命が起きました。「音声入力」という技を覚えたからです。



音声データをイヤホンで聞きながら、同時に、MacBookに向かって、声を発してテキスト入力するという技です。これによって、大幅な時間短縮に成功しました。

カテゴリー: 仕事のこと コメントをどうぞ

3年前にマッコウクジラに会っていた

不思議なことに『白鯨』を読んでいる間、自分が3年前に羅臼でクジラウォッチングをしたことを、すっかり忘れていました。そうだった、ぼくは野生のクジラを(クジラはみんな野生か・・・)一度見たことがあったんだ。

といっても、見たのは遠くからで、クジラの巨大さを体感したわけではありません。それでもじゅうぶん感動的でした。潮を吹いているのが見えて、最後は尾を水面に突き出すあの象徴的な仕草で、ざぶんと海の中へ潜っていきました。あれは、マッコウクジラだったのです。

クジラを発見したガイドさんが「何時の方向を見てください!」と叫んだ瞬間、みんなが一斉にスマートフォンを頭上に掲げて、ぼくはその行為が大嫌いだから、自分の目にだけ焼き付けようとしました。子供はほんのり船酔いして、ぼくのヒザの上で丸くなっていました。

カテゴリー: 日常のこと コメントをどうぞ

Googleの思想

最近、グーグルの検索結果に「Reddit」がよく出てきます。Redditは、海外の巨大掲示板です。文学について、たとえば「白鯨」について検索すると、決まってRedditのスレッド(白鯨について活発に議論しているスレッド)が上位表示されます。

グーグルはAI化を推し進める一方で、「個人の体験」や「個人の意見」も同時に(もしかしたらAI以上に)重視する方向に進んでいるようです。これはとても興味深いです。

今まで強かったSEO系の記事、つまり「白鯨とはこういう小説です」と解説する量産型記事は、すべてAIに取って代わられます。しかし、個人的な体験や意見、たとえば「白鯨の950ページはとても退屈だった、でも最後の50ページ、モービィ・ディックを追撃する3日間に圧倒された、たぶん白鯨とは神のことだと思う」というような記事は、AIには書けません。

そしてグーグルは、そういう記事を重視する方向に進んでいるようです。

カテゴリー: インターネットのこと コメントをどうぞ

Kodak Charmera

Kodak Charmera

妻にもらった誕生日プレゼント。
コダックの「Charmera」。
消しゴムとほぼ同じ大きさ。
チープな写真が撮れて
おもしろい。

カテゴリー: 日常のこと コメントをどうぞ

白鯨を読む⑫ – 完結

ついに『白鯨』を完読しました。あれだけ、面白くない、つらい、と愚痴をこぼしながら読んできたのに、いまは「すごい作品を読んでしまった!」という気持ちです。達成感よりも、喪失感のほうが大きいです。『白鯨』を読む日々が終わってしまって寂しい。まだまだずっと、読んでいたかった。

ほんとうに変わった小説で、1000ページの半分は、物語と関係のない、まるで論文のようなクジラのウンチクが占めています。多くの人が「なんじゃこれ?」と挫折するそうです。ぼくも読んでいて「なんじゃこれ?」と思いました。クジラの骨格の話とかどうでもいいから、はやく話を進めてくれ!とイライラしました。

でも、あれがあるからこその『白鯨』で、読後の感動は、あの苦しい時間(まるでエイハブ船長たちの長く退屈な航海と同じように苦しい時間)を体験したからこその感動なんですよね。あまりにも大きすぎて、まだ掴みきれていないと思うので、いずれ再読したいです。

カテゴリー: 本のこと コメントをどうぞ

白鯨を読む⑪

ついに、白鯨(モービィ・ディック)が姿を現した!

もうこのまま登場せずに終わるのかと思ったよ。残り50ページ、ついに、ようやく、現れました。まるで神のような威厳を示す巨大な白鯨「モービィ・ディック」。これまで嫌になるほどクジラの知識を叩きこまれてきたおかげで、モービィ・ディックの異様な姿、怖さ、神々しさを、しっかりと頭の中にイメージできます。

モービィ・ディックが出現した海は日本の近くで、メルヴィルは「閉ざされた国、日本」と書いています。『白鯨』が書かれた1851年、日本はまだ鎖国状態だったんですね。

そして格闘がはじまり、人間の無力さをあざ笑うモービィ・ディックの一撃で、捕鯨ボートはいとも簡単に真っ二つにされ、エイハブ船長は海に投げ出されてしまった。クライマックスだ!完全にクライマックスだ。長い長い退屈な940ページを辛抱強くめくり続けてきたご褒美が、いま目の前に差し出されています。

カテゴリー: 本のこと コメントをどうぞ

ビリビリビリッ

子供が『わたしのウナギ研究』という本(妻が古書店で見つけて子供に買ってあげた本)を読んでいて、その本から得たウナギの知識をぼくに話してくれた。ウナギの数は年々減っているけど、その原因はよくわかっていないこと。青ウナギという珍しい種類のウナギは、とても美味しいということ。

そして、電気ウナギはどうして自分で電気を作り出せるんだろう?という疑問も出たが、その答えは書かれていないようだった。

お風呂で人体の不思議について話す。

人間って頭の中で言おうと思ったことをパッと言葉で言えるからスゴイよね、なんで言えるんやろうね?という子供のギモンの鋭さに驚きつつ、そうやね、なんでやろうね、脳から電気信号がパッといくんじゃないかな、すると子供が言った、じゃあ、みんな体の中に電気を持ってるんやね!

カテゴリー: 日常のこと コメントをどうぞ

最近の日常 02.26-03.08

2月26日 宝石

部屋に入るたびに、机の上に置いてある『失われた時を求めて』(ちくま文庫)の表紙が目に入ってきて嬉しくなる。文章も美しい。読んでいて惚れ惚れする。井上究一郎訳にこだわって良かった。


3月1日 徘徊堂

取材の帰りに、ずっと行きたかった古書店「徘徊堂」へ。迷路のように入り組んだ本棚には、いろんなジャンルの本が並び、その前には入りきらない本がうず高く積まれている。映画や音楽関係の本が、他店よりも充実していた。3冊購入。また行きたい。


3月3日 集中力が高まる音楽

仕事中に静かな電子音楽が聴きたくなって、Ovalの『94diskont』を再生しながら作業をする。フィッシュマンズの『LONG SEASON』も聴く。心なしか集中力が高まる。


3月7日 はちみつ

今回の車検は、タイヤ、バッテリー、ブレーキパッドなどの交換で、結構な金額になってしまった。帰りに「ハニーショップふじい」に寄って、はちみつを購入。セール期間中で20%オフ。今回は「国産百花蜜」にする。前回買った「国産アカシア」より、良い意味でのクセ(はちみつらしいクセ)があって美味しい。


3月8日 後悔

丸善で本を買う。最近、本ばかり買っている。本しか欲しい物がない。夜は子供と一緒に寝る。1週間前、「お父さんたまには一緒に寝よう」と言われたのに、残業を優先してしまい(バカですね)、ずっと後悔していた。

カテゴリー: 日常のこと コメントをどうぞ

たかお

子供の靴の中に
いつも砂が入っているのは
なんでやろう?

キャナルシティに用事があって
「博多天ぷら たかお」でランチ。
たかお?ひらおのパクリ?
と思いながら食べたら美味しかった。
ひらおよりこっちのほうが好きかも。

MUJI BOOKS では何も買わなかったけど
(最近本を買いすぎていたので自粛)
棚のつくり方はいちばん面白いと思う。

カテゴリー: 日常のこと コメントをどうぞ

白鯨を読む⑩


マッコウクジラの真実に迫るドキュメンタリー映画『パトリックとクジラ 6000日の絆』のDVDが、3月18日に発売されます。当然、予約しました。白鯨をもうすぐ読み終えそうなタイミングでDVDが出るなんて、とても偶然とは思えない。

メルヴィルが本の中でしつこく描写する、マッコウクジラの「頭」のこと、「目」のこと、そして「知性」のこと、その答え合わせができるかもしれません。DVDが届く3月18日までに読み終えないといけない。残り157ページ、いけるか?

カテゴリー: 映画や音楽のこと, 本のこと コメントをどうぞ

白鯨を読む⑨

夜中に目を覚ましてしまって、眠れないので『白鯨』を読む。下巻の最終盤になって、あの延々と語られるストーリーとは関係ない鯨学がようやく姿を見せなくなり、ついに物語が動きはじめました。

しかし、白鯨はいまだ、姿を見せていません。最後の最後に出てくるんでしょうね。いや、もしかしたら、このまま最後まで白鯨が姿を見せないという可能性もあるぞ。タイトル「白鯨」なのに。メルヴィルならやりかねん。

カテゴリー: 本のこと コメントをどうぞ

AIに勝てる人

ハリー・スミスは語る

『ハリー・スミスは語る』

表紙の写真から怪しさ全開ですが、ハリー・スミスさん(1923-1991)の肩書きは、画家、映像作家、音楽学者、人類学者、魔術師、詩人、哲学者、錬金術師、蒐集家。ちなみに写真のタイトルは「牛乳を牛乳に変容させる錬金術師」(まったくもって意味不明)。

本を読んでも、ハリー・スミスさんがいったい何者なのか、結局よくわからないままでした。わかりやすさが最優先されてしまう(ツマラナイ)今の世の中で、こういう分類不可能な人が絶滅しかけているように思います。枠に収まらない人。AIに勝てるのは、きっとこういう人です。

ハリー・スミスさんの部屋は、書物やレコードや謎のモノたちで溢れ返り、彼の思考が丸見えになった神秘的な空間だったそうです。ミニマリストたちが見たらひっくり返るでしょうね。

カテゴリー: 本のこと コメントをどうぞ

モヤモヤ

駅の構内で、目の前を歩いている女性が交通系ICカードをぽとりと床に落とし、気づかないままスタスタ行ったので、さっと拾って「落としましたよ」と渡したら、「あ、はい・・・」とぶっきらぼうに受け取って去っていきました。ん?、、、、、別に感謝されたかったわけじゃないけど(多少は感謝されたかったかもしれないけど)、あまりにもあれだったから、なんかね。もしかして、捨てたわけじゃないよね。うーーーん。

カテゴリー: 日常のこと コメントをどうぞ

最近の蔦屋書店

はじめてワンビルに行ってみたら、ガラガラでした。蔦屋書店もダメですね。ただの普通の本屋でした。蔦屋書店といえば、六本松店の品揃えも悪くなる一方で、特に写真集コーナーはひどい有様です。以前はもっと良い本が置いてあったのになあ。6年前のぼくのブログには、蔦屋書店最高!と興奮気味に書いてあります。ソール・ライターの『Early Color』や、ロバート・フランクの『The Americans』などを六本松店で買っていました。しかし今は・・・コーヒーを飲む謎の人たちのすぐ近くに棚が移動してしまい、悲惨な状況です。じっくり見ることすらできません。

カテゴリー: 日常のこと コメントをどうぞ

Left hand Right hand

left hand right hand - フルール・ファン・ドーデワード

いいねボタンがあったら、10回ぐらいプッシュしたい。四国の小さな山村で暮らす子供や、若者や、お年寄りたち15人に、27枚撮りの使い捨てカメラ(おそらく写ルンです)を渡して、1枚ずつにテーマを決めて撮ってもらったという、ユニークな写真集。写真ってこういうものだったよね、と、感動します。

同じシロウト写真でも、iPhoneで撮ったシロウト写真はとてつもなくツマラナイのにね。チャンスは1回だけ。テーマは「明るい色一色」「テーブルに用意した朝食」「お気に入りの靴」「あなたの右手」「水道から流れる水」「起きてすぐの寝床」などなど。当然、技術的にはヘタなんだけど、逆にプロにはこういう写真は撮れないでしょ、という魅力的な写真がたくさんある。

27個のテーマは書いてあるけど、どの写真がどのテーマで撮られたのかは書かれていません。「笑顔の人」と「一番好きな人」というテーマがそれぞれあるので、カメラに向かって笑っている人の写真が、どっちのテーマで撮られたのか、それは撮影者にしかわからないのです(ここで再びいいねボタンを10回プッシュ)。

カテゴリー: 本のこと コメントをどうぞ

最近の日常 02.06-02.23

2月6日 かりんとう

銀座の店舗でしか買えないという「かりんとう」を頂く。とても美味しかった。ネット通販をやらない硬派さがイイ。ぼくの好きなレコード店もネット通販をやっていない。だからお店に行きたくなる。健全だ。


2月7日 中原昌也

メルカリで買った『中原昌也 作業日誌 2004→2007』が届く。面白すぎて、読みはじめると止まらなくなる。中原さんの狂気じみた買いっぷりに刺激を受ける。優れた映画ガイドブックでもあり、あっという間に本が付箋だらけになる。彼が書いた小説も読んでみたいけど、ほとんどがすでに絶版。困ったもんだ。


2月8日 選挙

雪がチラつく寒さの中、投票へ。なんのために選挙をやっているのか、勉強不足でよくわからない。でも投票はする。ツイッターに政治ツイートがたくさん流れてきて、ちょっと嫌になる。


2月17日 りくりゅうブーム

発熱。1日中寝込む。今回のオリンピックをまったく見ていなかったことに気付く。日本はりくりゅうペアの金メダルに沸いている。


2月23日 失われた時を求めて

ずっと仕事をしていた3連休の最終日、夕方の1時間、妻と以前から気になっていた古書店へ行き、たくさん本を買う。最大の収穫は、プルーストの『失われた時を求めて』。しかも、絶版となっている井上究一郎訳のちくま文庫版!どうしても井上訳で読みたかったので、最高にうれしい。1~5巻までしかなかったのが残念ではあったけど。もちろんまとめて購入。これから『失われた時を求めて』がそばにある生活がはじまる。

カテゴリー: 日常のこと コメントをどうぞ
  • 月別に記事を見る

  • カテゴリー

PAGE
TOP